屋上を出て教室に向かうのはさほど遠くないはずななに、それはそれは大変な道のりだった

「右京様よ!!!」
「剣君よかったら写真撮って下さい!!」
「恵様私を罵って下さいませ!!」
「新く〜ん!こっち向いて〜!」

原因は勿論こいつら

他校の人が来ている人の多い今日に、こいつら全員集まるとロクなことがない

まるでプライベートの所を発見された芸能人状態
無駄に顔が良いって大変だよね

私はなにしているかというと、女の波に飲まれていつの間にか押し出されてしまった

よって、見える位置にはいるが周りが誰かと一緒に歩いてる中で私は廊下でポツンと1人である

右京達の方を見ると、右京は女をガン無視
剣は女の子達と写真撮ってる「ちっ…」
恵はニコニコ作り笑顔を浮かべ女の子のリクエスト(?)に応じる気配なく
新は楽しそうに女の子と話したり写真撮ったりしている

私の剣に話しかけて写真を撮ってる女の顔は勿論全員覚えて頭の中のブラックリストに入れておいた。

色目使いやがって…

なんて思っていたら、当然普段1人になる事がゼロな私にチャンスと言わんばかりに話しかけてくる人もいる

「杉咲さん1人なの?」
「俺たちと一緒に回らない?」

暇そうに廊下で立ってる私に話しかけてきたのは、チャラ男2人組

1人、と言っても右京達と5メートルも離れていない距離だし勿論右京達の視界に私も入ってるわけで

「いや、大丈夫です」

「そんな事言わずにさ〜」
「いつも高町達と一緒で話しかけられないから今日くらいお話しようよ〜」

「……」

「杉咲さんと話したい奴結構いるんだぜ?」
「そうそう!この機会に親睦深めようぜ!」

「いや、本当に大丈夫」

断らないと後がどうなるか恐ろしい。

なんて思っていたら

「恋」
「恋に話しかけんな」
「恋さん1人にしてすいません」
「恋た〜ん!」

女の子に囲まれてたはずの右京達がきた