ー「恋は可愛いなぁ!」
ー「う、うるさい馬鹿!」
ー「恥ずかしがってるのも可愛いいいいい」
ー「うぅ〜」


…本当に真逆な性格だよね

これ以上思い出さない為に思考を遮るよう頭を横に振った


「右京、屋上行こ。起きて」

それから10分。寝ている右京を起こした

「ん…」

「剣達のところ行こ?」

「ん」

右京が立ち上がり私も足にあった重みがなくなったのを合図に立ち上がった

「右京出るよー」

「恋」

「なに、っーー」

教室を出ようとした刹那、右京に背後から抱き締められた。

「ど、うしたの?右京」

心臓がうるさいくらいにドキドキ暴れている。

「今度こそ、俺が守る」

「っ!!!」

耳元で、確かに右京はそう呟いた。

"今度こそ" "守る"

それがなにを意味するのか、私はすぐに分かった

今度は心臓が嫌な音を立てる。

「……大丈夫だよ。」

「そろそろ復活だ、恋。」

迷ってる暇も、逃げてる暇もない

まるで右京にそう言われてるみたい。

「う、ん」

返事をするので精一杯だった。

「屋上行くか」

「そうだね」

右京なりの重くなった空気を変える不器用な気遣いと優しさ。

空き教室から出れば、2人だけの世界から地上に戻ってきた感覚がした。