恋side
次の日から文化祭準備が始まった
本当に授業を全部潰して文化祭準備一色らしい
クラスの人達は協力して準備をしている。
カレーをやる事になった私たちのクラスが準備するのは、外装と内装とお皿やスプーンなどの備品準備。
調理班になった人達は食材を買って作る練習。
私たちは何をするかというと、なにもしていない。
最初手伝おうとしたんだけど、皆私達を怖がって震えてたから作業の邪魔をしないように端っこの方に溜まっている。
右京は椅子に座って寝ている。
剣はスマホゲーム。恵は読書。新はあの性格だからか意外にもクラスに馴染んでいるらしく女子の手伝いをしている。
なにも手伝わないで教室にいるのも申し訳ないと思いつつ、話しかけても怖がられるので結局何も出来ないでいる。
内装、外装はみんな大好きアン◯んマンのキャラクターにいるカレー◯んマンをイメージして作るらしい。
ポップな感じでとても可愛いと個人的に思っている。
「誰か黒板アートやってー!」
「絵得意なやつー!」
「このクラス絵得意なの居たか?」
「いや、いねえだろ」
「どうする?」
ボケーっとクラスを観察していると、そんな会話が耳に入った。
どうやら黒板が寂しいから黒板にラクガキをしたいけど絵を描ける子が居ないらしい。
「ねえ、私描こうか?」
「「「え!?!?」」」
何もしないのも癪だと思っていたから丁度いいと思い、クラスの子に声をかけてみた。
そしたら、賑わっていたクラスが静まり返ってしまった。
……なんかごめんなさい。
「す、杉咲さんって絵上手なの?」
「まあそれなりに上手い方だと思うけど、」
「委員長〜!恋は昔から絵得意だよ!」
どうやら話していた2人はクラス委員長だったらしい。
茶髪の男の子と清楚系の女の子。
剣がフォローしてくれた。
昔から絵は得意。小学校の時は毎年賞取って表彰されていたし、留学していた時もデザイナーの友人に色々と教わったりもしていた。
「じゃ、じゃあ頼んでもいいかな?」
「いいよ。何もしないのも申し訳ないと思ってたからこれくらいはさせて?」
「お願いします!」
「ありがとう杉咲さん」
「別にこれくらいいいよ」
「じゃあみんな作業続けてー!」
黒板アートをする事が決まり、クラスの人たちも作業を再開した。
「恋」
「なに?右京」
「良かったな」
「うん」
初めてクラスの人と交流出来たことを、みんな喜んでくれた。
まあ自分達が原因で私がクラスで浮いてるんだから少し負い目を感じてたのもしれない。
委員長の男の子から、とりあえずカレー◯んマンを描いてほしいと言われ、あとは任せると言われた。
とりあえず私は紙にデザインを考えて描く。
10分くらい考えて、デザインが思い浮かんだ。
下書きをしていたら、右京達が凝視してくる。