だから、恋に危害を与える奴も恋を傷付ける奴も許さない。

それは右京だって新だって恵だって同じだ。


「恋、耳塞いでて?」


トイレに恋が行った時に女に絡まれたのを俺たちはすぐに面子から情報が回ってきた。

すぐに駆けつけようとしたら、右京は俺だけでいいと1人で恋の元へ行った。

帰ってきた恋と右京を見て、見えない"なにか"で結ばれている2人を見て、胸が苦しくなった。


それが悔しくて、俺は毎回右京に見せびらかすように恋とスキンシップをとる。

それで右京がイラつくのを見ると優越感がうまれる。

腹黒い、と言われてもいい。

教室で恋に抱き着いたのは、恋を汚い目で見る学校の男共に対する牽制。

恋に危害を加えようと企んでいる女共から恋を守る為。

これに関しては俺にしか出来ない役目。

俺の行動を見て分かったのだろう。
恋の視界と聴覚を閉ざし、新と恵と3人で目配せをする。


「忠告だ」

「杉咲恋に手を出した奴は男も女も関係ない。容赦なく消す。」

「彼女が俺達と居るのは俺達がそれを望んでいるからだ。」

「何か文句があるなら俺達に言え。手を出すなら、希龍を敵に回すと思え。」


廊下には先程恋に突っかかった女3人。
写メは持っているからすぐ分かった。

俺は敢えてその女3人を見ながら忠告をする。


案の定震えて逃げていった。

その他廊下に居た、恋に罵声を浴びせてた女達も全員去っていった。

希龍でない男達は、俺達に怯えている。