剣side
恋は俺の大切な大切な家族。
俺の唯一無二の存在。
俺の片割れ。
ずっと一緒だと思っていたのに突然消えて、突然帰ってきた恋。
どんなに父さんと母さんと兄貴に聞いても留学したとだけ言われ理由は教えてくれなかった。
恋は俺に何も言わなかった。
恋が居なくなった恐怖を、今でも俺は思い出す。
突然帰ってきた恋が、俺に分からない何かを抱えている事も勘付いている。
勿論、それを右京が知っている事も。
酷くもどかしい。
だから、俺は今は目の前にある恋を守る事に決めた。
恋の今の幸せを、俺が、俺たちが作ってあげるんだと胸に誓った。
恋が、いつか話してくれたらいいなと思いながら。
俺は、たった1人の大切な存在を守らなくてはいけない。