「私、バカが嫌いなのよね」


無表情でコテン、と首を傾げて言う私に震えだした女3人。


「は、離して…お願い…」

ボス女は半泣き状態。

ああいけない。手首掴んだまんまだった。


お望み通り離してあげれば

「い、行くよっ…!!」

すぐさまにトイレから走って逃げて行った。


つまらないなぁ。どうせだったらもっと楽しませてほしかったのに。

なんて思う私は異常だろうか。


そう思いながらトイレを出れば、野次馬を蹴散らし右京が待っていた。

「恋」

「なに?右京」

「怪我は」

「ないに決まってんでしょ?」

「ならいい。」

「右京だけって珍しいね」

「あいつら来るとうるせえからな」

「そうね」

それ以上はなにも聞かない右京。
だから敢えて何も言わない私。

右京はきっと遠目で見てただけで全て状況は把握してるはずだから。

そして、名前も知らないさっきの女3人に制裁を加える事も私には分かるよ右京。

きっと、なにも私には言わないだろうけど。


「右京」

「……」

「程々にね」

「………」


通じたからこその無言。


右京が、必死で私を守ろうとしてくれてるのは分かってるから。
右京の行動は全て私の為だから。
だから私はなにも口は挟まない。

それが、私と右京の絆。


ーーーーーーー本当に、あの人とソックリ