ガラガラガラ
授業中の教室に入れば当然一斉にクラスの人達は私たちを見るわけで。
「な、なんで君達がここに…」
さっき私を怒らせたハゲじゃない別の先生が授業をしていた。
ただこいつも言ってる事はハゲと一緒。
「ちゃんと校長に許可取ったんで。てか、まずなんで学校の生徒なのに授業出る許可取らないといけないわけ?おかしくない?ねぇ先生?私分からないから教えて下さい」
ふふっ、とわざと圧をかけ先生を追い詰める。
「恋が怒ってる…」
昔から私の怒ってる時に出るこの笑い方が苦手な剣はすぐに分かったらしい。
「ねぇ先生?私、先生の授業受けたいなぁ」
甘い声で名前も知らない若めの先生に迫れば、後退り顔を真っ赤にする。
わざわざそれをクラス全員の前でやる理由?
決まってるじゃない。校長に許可取ったなんて言われてもどうせ信じないんだから右京達が授業に出れる許可をクラス全員の前で取らせて証人になってもらう為。
「わ、分かったから!早く席に着いて教科書を開きなさい」
「はぁい。ありがとセンセ」
にこり微笑めばまた顔を赤くする教師。
ちょろいわ。
なんかあった時に使えそうだな、なんて思いながら右京達を連れてゾロゾロと席に座る。
勿論、ずっとクラスの人から視線を浴びていた。
「先生〜早く授業しないと終わっちゃいますよ?」
「はっ!そ、それじゃあ102ページを開いてーーー…」
ぼけっとしていた教師にそう言えば慌てて授業を始め、生徒達も何事もなかったように授業を受けだした。
「恋」
「なに?右京」
「………さんきゅ」
「お礼言われるような事は何もしてないよ」
「…そうか」
右京も剣も恵も新も、それぞれみんな私にお礼を言ってきた。
この学校に転校してきて結構経つはずなのに初授業を受ける。
この学校、不良だらけなのに授業はちゃんと受けてる事にビックリだよね。