恵side


「まだかな!?もう10分経ったよ!?」

「恋たんが帰ってこない!!」

「………」


屋上はピリピリとしている。

何故って?恋さんがさっき校長の所に直談判しに本当に行ってしまったから。

俺たちは邪魔だと言われてしまったから他ならない。


別に俺たちは教師にあんな扱いされようと気にしていない。

なんせ入学当時からそんな扱いを受けて来たし、もっと言えば所謂不良になってからずっと俺たちは周りから悪いようにしか言われてこなかった。

だからこそ、恋さんは俺たちにとって光なんだ。

俺たちを見た目で判断せず、ちゃんと正面から向き合ってくれてなにしろ興味ないとまで公言してくれてる。

それくらい言ってくれる人が俺たちにとって居心地良いのかもしれないから、彼女に俺たちは惹かれてしまったんだろう。

でも俺は右京と新と張り合う気はさらさらないから彼女を恋愛対象としては見てない。

そんなことしたら戦争になってしまう。…考えたくもない。

「恋帰ってこないよ…大丈夫かな?校長になんかされてないかな!?」

「俺恋たん迎えに行ってくる!!」

「…俺が行く」

「はぁ…結局そうなるんだから」

結局みんなで恋さんを迎えに行くことになってしまった。

なんでこいつらは大人しく待つって事が出来ないんだ…。