「うん。いいんじゃない?柊にしては」

恥ずかしくて髪をチェックするふりをして柊から目をそらした。

「幸のくせに生意気な。よく見てみろこの完璧なカット。髪の色だって自然なピンクだろ。これくらいならお堅いとこだってうるさく言われないしさ。顔色が明るくなっていいじゃん」

かがんだ柊がすぐ近くに顔を寄せてきて、髪をすくう。

近い!近い!ってば。

改めてイケメンだと意識したから、近寄られるのが恥ずかしくてたまらない。顔並べられたら、私のほっぺたがぷにぷにしてるのが目立つ……

「幸、幸~~店の宣伝に写真撮らせて」

さっさとケープを取り去り、スマホを構えた柊に写真を要求される。