俺は窓辺にひっかかっていた銀杏の葉を朱音の髪にそっと置いた。 夕陽の金色に照らされた銀杏に自己犠牲的な王子を思い出す。 そういえば あの話は秋の話だったな……。 そう思った時。 ふわりと吹き込んだ風に運ばれた紅葉が、止まり木に止まる小鳥のように 朱音の肩に落ちた。 クリーム色のカーデによく映える、 鮮やかな"あかね色"。