「……王子、紅。ツバメ、朱音」

「え!」「はああ?!」

「……私語してた、罰」

それはそれでひどいと思うぞ。

「断る。王子なんてガラじゃねーし」

「わあどうしよ~主役的立場って何かテレちゃうな~。えへへ」

こいつはやる気満々だった。


がくん、と気が抜けた俺にクラスメートたちの声が聞こえる。


「あの2人息ぴったりだもんね」
「空気感が似てる」
「仲良しさん!」
「信頼してるって言えよそこは」


「おお、満場一致みたいだし2人ともお願い、」
「嫌だ」
「頼む」
「じゃあせめてツバメにしてくれ」

このままいくと不毛な会話になりそうだった。
なぜか王子とツバメ以外の役はうまっていたため、俺と朱音は主役に抜擢されたのだった。