瓦の方は色合いが違うので良ければ格安にしてくれるという工場が見つかり、「是非お願いします!」と申し込んで二回目のミーティングに望んだ。


資材の値段と総額を示した資料を片手に出席し、各部署からの意見を求める。



「かなり頑張ったんじゃないのか」


岡崎さんはそう言って認めてくれた。


「大田さんもだけど、あの三人の成長ぶりには驚いたよ」


グループの討議に参加してるゆとりちゃん達に目を細め、岡崎さんは満足そうな表情を見せる。


「どんな魔法を使ったんだい?」


振り向いて聞かれ、きゅっと肩を窄めた。


「私は何もしてないです。ただ、主任を少し見習っただけです」


怒らないようにしてただけだと話した。
岡崎さんは「成る程」と頷き、「人材育成でよく言われてることを実践したんだな」と褒めてくれた。


「大田さんはいつでも努力家だね」


頑張ってるね…とい言われ、ジーン…と胸の奥が熱くなった。
きっと一ノ瀬圭太も喜んでくれるだろうと思ったのに、彼の評価は意外にも厳しい。



「この外壁じゃいい家には見えない。外観が悪かったら、中にも入って貰えない」


やり直しだな…と、険しい顔つきでそうコメントした。


「でも、手作りのタイルだとコストが高くて使えません!」


足を運んだ工房でのことも説明した。
でも、一ノ瀬圭太の考えは変わらなかった。