意思とは関係なく、びくりと小さく体が反応してしまった。


まさに、肯定の意。図星だったからに他ならず。



それを見て、僅かに彼が笑みを深めたように見えたのは私の気のせいに違いない。


そうであって欲しい、と切に思ったのはどうしてだろう。



「安心して。僕は君を傷付けるつもりはないから」


「何を、言って……」


「僕は君を救いたいだけ」


何を言っているのか、一瞬分からない。


「僕は救いたいだけ。有利紗(アリサ)、君を」


再度繰り返される言葉。


どうやら聞き間違いではなさそうだった。


一向に変わらない意思の強さが感じられて、一種の焦燥感から解放された気がした。


と同時に、耳慣れない単語を口にして安心する。



「あ、りさ……?」


「それが君の名前」


「あり、さ……」


こくりと頷きながら、もう一度、口にする。