想像になってしまうけれど、この申し訳なさに対する意味は。
弁解できない状況に陥ってしまった時を想定した、いわば保険のようなもの。
不安要素の大きい事柄。
気にしすぎる自分。
考えられる最悪まで頭を使い、備えてしまう。
元からそういう性格なのだろう、私は。
要は私は、脆弱な心をさらけ出したくないだけなのだ。
掴めるものはひたすら掴む。
そのくせ、多数を一度に抱えてしまうも片付けられないから、おのずと偏りが出てしまって、全てに手を回せる余裕がない。
おかげでただ一つのものに、ひたすら依存してしまうのは至極当然の成り行きだ。
記憶を失った理由もそこから来ていたり……なんて。
「くだらない」
一言、ぽそりと呟いて湯船から立ち上がる。