——バシャン、と。
少し勢いをつけて湯船に浸かる。
シャワーを浴び終えたばかりで多少のぼせ気味ではあるけど、せっかく入れてくれたのに浸からないのも勿体ない。
それに、少し一人で考えたいこともあった。
昨日の記憶が混濁している……というのは、ひとまず置いておこうか。
どうにも考えても意味のないことに思えてきた。
余計なことを考えるのは、さらに頭を混乱させるだけだ。
はあ、とため息を一つ吐く。
今、直面している問題はそうではない。
「……また、増えてる…」
湯船から腕を上げて、まじまじと見る。
慣れとは恐ろしいもので、あれほど背けていたというのに今は疑問が勝るばかりに、目が離せない。