「そうだ。アリサ」
「はい?」
電池を入れて時間を合わせていたシュウに呼ばれて、昼食の準備に入ろうかと思っていた私は振り返る。
「お風呂を沸かしておいたから、先に入ってきたらどう?
昨日も入っていないから気持ち悪いと思うんだ」
「え、でも昼食……」
「それなら僕がやっておくよ」
部屋を横断していた足が止まった。
セットし終えて、ベッド脇のチェストに時計を置くとシュウは、決まったと言わんばかりにさっさとキッチンに向かう。
後ろ姿を目で追いながら、諦めて入ってきたらとは思うも渋ってしまう。
「あの、でも……」
「遠慮はいらないよ。最近はずっとアリサが作ってくれていたから、申し訳なかったんだ」
「え……」
「たまには、ね」