* *
白い部屋。
どこを見ても、白、白、白。
目が痛まないようにか、合わせた淡い色が所々に見受けられた。
私はこの光景を知っている。
私の世界。私の全て。
そしていなければいけないのがもう一人——。
「眼は覚めた?僕の姫様」
戯れ心からか、いつかのようにそっくり同じ言葉を添えて、私の頭を撫でながら、ベッドに腰掛ける美しい少年。
なんて綺麗。
私の世界にいなければいけない存在。
「……シュウ…」
ゆっくり、噛み締めるようにその名を口にする。
部屋で倒れて、抱き留められたのは覚えている。
だけどその前後の記憶が曖昧で、首を傾げた。
心なしか頭もぼんやりする。
少しだけ頭痛がする、かも……しれない。