ノイズがかかったように。
まるで古くて壊れたテレビの、波立ったような画面の奥でジジ…と寂しく響く音に遮られて、聞き取れない。
おかしいな。私はその綴りを確かに、知っているはずなのに。
どうして。ねえ、どうして。
古ぼけた先に垣間見えたのは、頭を撫でる大きな手。
『貴方はちゃんとしなくちゃね』
幼子をあやし、諭すような声と、子供の姿。
ここはどこ?
私はだれ?
怖いのはもう嫌なの。
お願いだから一人にしないで。
まだまだ求めても、いいんでしょう…——?
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…