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ある者は言った。
今はなくて、昔はあった理性。
ある者は言った。
昔は握って、今は手放した純粋。
恐れるものは孤独と消失。
頼れるものは互いと狂気。
無益なものは他人と自身。
いつから狂ってしまったのだろう。
いつから手放せなくなったのだろう。
いつから損得に固執するようになったのだろう。
いつから。
——生きようと思わなくなったのだろう。
吸って吸って吸い尽くした。
快楽という名の薬はもう残っていない。
初めから永劫存在するものなんて、この世にはないのかもしれない。
貪欲に求め続ければなくなる。
当たり前なことなのに、それを知らずに無遠慮に手を伸ばしてしまったから、私の手は空っぽになってしまった。
この両の手に僅かでも残るものがあるとするのなら、私は迷わず選ぶでしょう。
それがたとえ、血濡れた結果だとしても。