「もうすぐ記念日だから。あの……プレゼントを買ってました」


ことり、と小さな箱をテーブルに置いた。


驚くアサヒの顔を見ながら、頬をそっと撫でる。


「開けてみてくれる？」


アサヒにそう促し、じっと待つ。


そっとアサヒがその箱を開ける。


「アリサ、これ…」


「アサヒに貰ったものよりもずっと安価で恥ずかしいけど……いつか、ちゃんとしたものを送るから」



中身は、一粒のピンクパールが光るネクタイピン。


アサヒにもらったネックレスとは比べようもない代物だけど、今はこれで許して欲しい。


そう、意を込めてアサヒの返答を待つ。


するとアサヒは、ぎゅっと私を抱きしめてくれた。



「嬉しいよ、とても。大切にするよ」


「使って…くれる？」


「もちろん」



私もアサヒを独占したい。


もっと、もっと。


そんな意味を込めて送ったプレゼントを、アサヒは本当に大切そうに撫でる。