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「……お前、またやらかしてくれたな」
「すみません、つい」
「ついじゃねえだろうが。お前のそれは日常か?実は楽しんでんだよな?」
落ち合ったシロウさんに、家を出る前に起こった顛末を正直に話した。
頰をひくつかせるシロウさんの目は、非難一色だ。
「ついこの前も俺の知らぬ間に何か起こった気がすんのは気のせいか?」
「いえ、事実です。その節は本当に申し訳なかったです」
「おいコラ。口ぶりが淡々とし過ぎてまるで誠意が感じられねえよ」
シロウさんが指しているのは、私が彼を二番目と言ってしまったことで勃発した、アサヒのお礼についてだ。
その後、アサヒが何をしたかは聞いても教えてもらえなかったけど。
なんとなく光景が目に浮かぶ。
笑顔で罵詈雑言でも浴びせられたんだろう。