と、意識はテーブルの上の小皿へと向かう。


「あ…!何作ったんですか?」


思い出したようにベッドから降りて問いかける。



「ああ、それは……」


「わあ、綺麗っ。どこかで買ってきたんですか?」


シュウが言葉を紡ぐより先に感嘆の声をあげる私の視線の先には、円を描くように盛り付けられたマフィンたち。


味もそれぞれ違うのか、色とりどりの芳香なそれらは香りを混じり合わせ、互いを押し出すように引き立たせている。



これはきっと高かったでしょうに。


高いもの=美味しいもの。


そんな方程式が成り立ってしまったその衝動を止める術はなく。


視覚、嗅覚に触発されて盛大に鳴ったお腹を慌てて押さえる。


聞かれたか、と恐る恐る振り返れば普段となんら変わらない笑顔が向けられていた。


これは、多分……