「ああ、ダメだ」
「アサヒ?」
「アリサがこうして側にいて、僕だけを見て、僕と生きてくれる。
幸せすぎて死んでしまいそうだけれど、それは惜しいな。君と離れることに耐えられないし、何よりアリサが望まない」
愛おしい、と思った。
推し量ることもできないほどに、アサヒの存在は私の中で大きい。
それこそ、人生そのものなのだから。
「私、ずっと信じていたから。アサヒのこと、一番大切だもの。
不安になったけど、もう無くなったの。だからアサヒも変なこと考えないで。
私にはずっと、この先もアサヒだけなんだよ」
吹っ切れたような顔のアサヒにほっとする。
私の声は、届いている。
きっと今の私も彼と同じ顔をしているんだろうと思った。
くすりと笑ってアサヒは言う。
「僕だけと言いながら二番目がいるんだ?」
「え?シロウさん」
「へえ…」
アサヒの瞳が怪しく光る。