ああ、十分すぎるほど満たされた。


あれだけ不安だったのに、瞬く間に私の心を一杯にする。




「僕は君に嫌われたら生きてはいけない。だから僕は、愛想を尽かされないよう君に尽くしたい」


彼は、語る。


私に聞かせる。


「それでも全然足りないけれど、それで君が僕を見てくれるなら、僕のことを考えてくれるなら、僕のことをただひたすら……想ってくれるなら。
その全てに意味が生まれるんだよ」


ただ一つの想いを守るための手段を。


そのためにあらゆるものを求める、ささやかで貪欲な心を。


「アリサを繋ぎ止められるなら、他には何もいらないんだ。ただ僕は、君に嫌われたくない。だから、君の願いを叶える」



その胸の内をアサヒは吐露する。