私の言葉でアサヒが理解を示す、分かろうとしてくれる、汲み取ってくれる。
それが、無益な私の人生でどれほどの価値があるか。
自問するまでもなかった。
「ねえアリサ。僕は、君の願いならどんな事も叶えたい。
たとえそれが道徳に背く行為だとしても。罪を犯すことも厭わない」
昔から彼は私に献身的だった。
私もアサヒにしてあげられることを探していた。
「君の笑顔を守るためなら、僕はどんなことでもできるんだよ」
他にはいらない。欲しくない。
互いのことしか考えていたくない。
なぜなら……
「アリサは僕の全てだからね」
アサヒは私の全てだから。
「何を捧げても惜しくないほどに」
何者にも代えがたい。
「掛け替えのない、僕の宝物」
無くてはならない、私の大切。
弱い私を幾度となく守ってくれたその事実。