何を探しているの?
『とってもとっても、だいじなの。だから教えてあげないの』
でももう日が暮れてしまうから、危ないよ。
それなら一緒に探してあげる。
すると女の子は凄まじい形相でこちらを睨んできた。
『——だめっ!!だめ、だめ、絶対、だめなの!』
どれだけ大切なものなんだろう。
諦めればいいのに。帰ればいいのに。
忘れてしまえばいいのに。
ああ、そんなことを言えばまた、彼女は怒ってしまう。
今度は泣きながら怒って、逃げてしまうかもしれない。
それなら私はここにいようか。
あくまでそっち側にはいけない、静観者だから。
あの子の探し物、見つかるといいな。
そうでないと、あの子は——…。