「言ったよね。もう離さないって」


唇を離してすぐ、悪戯が成功したような顔で言うものだから、顔が真っ赤になる。


こ、こんな場所で……。


そう思ったけれど、諦めて身を委ねることにした。



「ん、いい子」


どこか嬉しそうなアサヒに、敵わないことを思い知る。


仕方ない。


私はそれだけ彼に、アサヒに——恋しているということなのだから。




大好きだった彼は、また私の前に現れて、私の心を捕らえて離さない。


そして私も彼に囚われる。


愛を知ったピエロは人間に。


そして一人の最愛の人のために、自身の人生を捧げて幸せに暮らしましたとさ。





「愛してる、アリサ」


「私も……愛してる」




めでたし、めでたし。







*END*