「誤解しないで欲しいところだけれど、これは積年会えなかったアリサへの贈り物。白状すると、キッカケ作りの単なる建前だよ。
後は……そうだな。よく言うよね、ネックレスは束縛や独占の象徴だって。もしかしたらそういう意図はあるかもしれないけれど。
僕は“きっと”なんて曖昧な言い回しは使わない。
僕はアリサを“永劫”守るよ。それではダメかな?」
「……」
ずるい人。
そんなことを言われたら許さないわけにいかなくなる。
仕方なしにはあ、とため息をついてアサヒに向き直る。
「……遅いよ、馬鹿」
「うん、ごめんね。これからはもう待たせないよ。
もう離さない。ずっと側にいるよ」
人が少ないとはいえ、公衆の面前でよくそんなことを言えたものだ。
どことなく周囲の視線を感じて、少しだけ恥ずかしくなる。
居た堪れない気持ちで思わず距離を取ろうとすると、腕をまわされて引き寄せられた。
そして…——
「んっ」
触れるだけのキスをした。