もちろん、その他世間との確執も大きくて、苦労もたくさんあった。
けれど私たちは今、生きている。
立派とは言えないけれど、それぞれに5年間を歩んできた。
保護観察処分を受けた私とアサヒは、案の定引き離された。
私は家に残ることになって、アサヒは遠縁に預けられることになって、それから一度だって会うことはなかった。
だけど、今日。
長年のシロウさんの取り次ぎもあって、ようやくその機会が巡ってきたんだ。
本当に、長かった。
長くて辛くて、何度も投げ出したいと思った人生さえ、アサヒがいることを思えば頑張れた。
結局、押し切った私が家を継ぐことはなかった。
それから自立して、家を出て、完全に実家とは疎遠の関係になった。
今では良いことだったのかは分からないけれど、後悔はしていない。
今は先のことだけを考えていたいんだ。