悪い結果さえ予測していたから、これ幸いといえよう。
運は、良かったのかもしれない。
流石にあの時ばかりは感謝したものだ。
一人思い出しながら静かに笑う。
思えばいろいろあった。
最初はアサヒが誰かも分からなくて、後に姉弟だと知らされた。
ショックは大きかったけれど、唐突に降りてきた、本当の姉弟ではなかった事実。
それに関しては微妙な心境だったけれど、どこか安堵していたのを思い出す。
今に至ってもやはり両親と私たち姉弟の不仲は解消されないままだけど、むしろ絶縁できる良い機会だと、前向きに考えられる程度には清々している。
最近、元々不和だった彼らには離婚話も持ち上がっているらしいけれど、私よりも多く諍いの場に直面していただろうアサヒに伝えたところで、欠片も興味を持たれないだろう。
所詮それは、私たちには関係のない話なのだ。