ああ、そうだ。
所詮こういう人たちなのだ。
この人たちに希望など微塵も抱いていない。
持っているのは、私とアサヒが幸せになるための未来だけだ。
だから、私は——。
「アサヒに責任を押し付けないで。
あの日、人を刺したのは——
——私です」
吸い込んだ息を一気に吐き出すように告白した。
驚愕に見開かれた両親の目。
信じられないと、語っていた。
「アリサ。あなた、何を言って……」
「嘘ではありません。あの日のことははっきり覚えていますよ」
冷めた目で笑ってやると、母親はびくりと身を揺らして一歩後退する。
私は心の綺麗な人間ではない。
だから思う存分蔑んでやれるのだ。
ああ、随分ショックを受けている。
そうでしょうね。