それを寂しいとは思わない。


むしろ、それが正しいあり方だと思えてならなかった。



アサヒがいるから生きていける。


そんなこと、もう言わない。


アサヒを困らせることはもう、言えない。


たとえ思っても心の中だけに留めておこう。


まだ弱い私には、それくらいの余地は許されるでしょう?




「行こうか、アリサ」


指と指を絡めて、しっかりと繋がれた手は誰にも解けはしない。


だから、私は。


「うん…っ」


夢を見続けられるように。


ずっとずっと離さないように。


きゅ、と繋いだ手に力を込めた。