以前の私ならこんなことは考えなかっただろう。
嫌いなものは嫌いだと割り切って、決して踏み入らせなかった領域。
自分とアサヒだけの聖域。
侵されたくないのは今もそうだけど、言っていても何も残らない。
なら、賭けてみようかという結論に至ったのだ。
いつかまた、と。
そんな夢物語のようなことを話して、笑いあった。
罪を認めることこそが罪なら、私は前に踏み出そうとは思わなかった。
だけど、それを認めることで未来に可能性があるというのなら。
もう少しだけ、頑張ってみようかと思えたのだ。
希望があるだけで救われるのは、それだけ幸せなことなんだろう。
考えてみた。
そうしたら、やはり私の思い描いた先にはアサヒしかいなかった。