萎んでいく私を見かねたシロウさんは、「ちょっと来い」と奥へ手招きしてきた。
素直に従って、入るのはこれで二度目の彼の部屋に急かされるまま招かれた。
入っていいものかと悩んだけれど、本人が良いというのだから大丈夫だろう。
ドアを静かに閉めたシロウさんは椅子を私に譲って、自身はベッドにどかりと座り込んだ。
「で、どうした?」
「……」
この場を切り抜ける得策が思いつかない。
純粋に心配している彼を前にして、嘘はつけないと観念して、アサヒとの間に起きた事の顛末を語った。
数分後。
話を聞き終えたシロウさんは一言。
「お前ら馬鹿か」
「……はい…?」
突然何を?
え、今しがた貴方は馬鹿と仰いましたか?
突然の悪口に呆気にとられる。