自分でも自分がおかしくなっていることを理解できる程度には。


思わず怯んだシロウさんの手が離れて、突然解放された影響で咳き込む。


器官が必死に呼吸を始めて私は、荒い呼吸を繰り返しながらシロウさんを見やる。



「なんだ。止めてしまうんですか?残念です」


「お前、何を……」


「殺す気なら本気でこないと。これくらいでは私は死ねませんよ?」


小首を傾げて微笑むと、青ざめた顔の彼の様子が窺えた。


あれ、どうしたんですか?


顔が真っ青ですよ?


な ん て



狂っていることは承知。


なら私の感情の行き場はどこですか。


責任、取ってくれないんですか?


心底残念だと態度に示す私に、シロウさんは声を振り絞る。