嗜めるなどと生易しいものではなく、彼はもっと別の怒りをまとっていた。
「本気で言ってんのか。そうならもういっぺん言ってみろ。即刻追い出すぞ、この家から」
こく、と喉がなる。
怖い、けど。
彼が怒っている理由が分かっているからこそ、続きを吐き出させる。
「また、“アサヒのため”か?お前には他に考えるべきことがあるだろ。目先のことに囚われて、その先の人生を棒に振ってもいいのかよ」
「それをアサヒが望むなら」
「ああ、そうかよ。あいつが苦しんでる時に側にいるだけってなら、おめでたい奴だなお前も。
それで、なんだ?側にいて擁護して愛を与えてやって、それで終わりか?それであいつを守ってやってるつもりかって聞いてんだよ」