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眼が覚めると、見知らぬ白い部屋にいた。
何がかと言えば、そのままだ。
この部屋全体を指しての感想だとするなら、実に簡潔かつ一番伝わりやすいはず。
流石に全てがそうだというわけではないけど、目が眩みそうになる程には混じり気のない色調の部屋。
床に敷かれたカーペットも、囲みを覆う壁紙も、設置された家具、自身が目覚めたベッドのシーツに至るまで、白で染め上げられていた。
白い部屋とは……
ふむ、なるほど。実に明瞭な表現だと思う。
一人芝居さながらの自答をして頷くと、一つの疑問が湧き上がる。
「え、と……ここはどこ?」
いやはや、まったく。
第一の注目点ではなかったけど、やはり人というもの、当然気になるところはそこなのだ。
ここにきて初めて、全体をぐるりと見回す。