* *
「人ってね、一人では生きられないらしいの」
「ふうん。それはどうして?」
「社会的に関わりを得ないといけないから。……だって」
「ふ、それは誰かの受け売りなんだ?」
「そ、そうとも言うけど……そうではなくてっ」
トランプをしながら、語る私の話に耳を傾けるアサヒ。
今は彼のほうが有利だ。
私もどうにかして立て直さないと。
……とは言っても、ただの遊戯だからそれほどの真剣問題ではないけれど。
「私にはアサヒがいるから、確かに一人ではないなあって思ったの」
彼はゲームと名のつくものは何でもできる。
囲碁、チェス、ポーカー……
特に、自分の手札を相手に悟らせないゲームが大得意。
私も常々やりづらいと思っているくらい。
……なの、だけど。