そう、運命は少しずつずれていったんだ。


私たちが出会ってしまったがために。



「女の子はその儚げな容姿同様、とても心が弱い子で、目を離すと一人消えてしまう子でした。その度に男の子が連れ戻して事なきを得ていました。
そのため、両親が二人を離すことを断念したおかげで、子供達の仲はますます深まります。

それはいつしか絆と呼ぶに相応しいものとなっていきました」


“絆”


切っても切れない鎖のような縁。


結んではいけなかったもの。


「男の子は悩みます。姉である女の子を家族とは別の愛情で見ていることに嫌悪していたのです。この感情はなんだろう。あってはならないものだ。
そうして男の子は、女の子を姉として見るように、今まで以上に側にいて意識し、甲斐甲斐しく世話を焼きました」