《んっ??》

《智也、どうかした?》


ガチャッ


「ッ・・・。」


玄関にいる、あたしに気付いたのか、リビングから玄関に続く扉を開けた。

「おー、由奈。
おかえり。」

「うん。
お兄ちゃん、ただいま。」

「あっ。由奈ちゃんおかえり♪
おじゃましてます。」

「こんにちは、亜美さん。


あっ!!お兄ちゃん、今日友達と
夜ご飯食べてくるね。」

「んー。
気をつけろよ。
なんかあったらすぐに連絡しろよ!!」

・・・そんな、優しい言葉を言わないで。

「うん。ありがと。」
あたしは、心にもない言葉を言うの。
そう、いつものように。

「智也ってば、相変わらず由奈ちゃんばっかりなんだから〜。うらやまし〜。」

なんでそんなこと言うの?
あたしは、あなたが・・・お兄ちゃんと血つながりがない、、あなたになりたかったよ。そしてー・・・。


「なんだよそれ。」
なんて言いながらお兄ちゃんは笑っていた。

そんなあなたの姿が、あたしを苦しめるんだよー・・・。


「部屋に行くね。急いで着替えないと間に合わないや。」
と笑いながら言って、2階の自分の部屋に行った。