ながら消し始めた。すると、
「あー、おはよ。ミツ」「やっとミツのお出ましかよ」「はよ、マリとハル」という声が廊下から聞こえた。あたしは、『ふーん、来たんだ』と思いながら黙々と消していると、女の子と男子の会話が始まった。
「今日もアイツに落書きしたんだ」
「マリ、よく飽きねぇよな」
「だって、雑用係が一丁前に三津屋と同居してるから」
「プライベートだろ」
「…雑用にプライベートとかあんの?お父さんそこそこの会社だけど、雑用にプライベートなんかないって言ってるよ?」
「マリ…お前、道徳って知ってる?雑用にだってプライベートがあるだろ、人間だし」
「道徳とかよく分かんね。じゃ、学校なら何をさせてもいいってこと?」
「そうなんじゃね」
「ハル、ウケるから。あ、今日の1時間目の体育の時間、女子、バレーがあるんだ。しかも、その準備あたしの班だし。めんどいからその準備アイツにやらせよ。コレ教室にも聞こえてるよね。頼んだってことにしておいていいよね〜」
「マリ、それはやりすぎじゃね」
「いいんだって。雑用だし」
「ミツ、女子ってこえーな」
「そうだな」
そんな会話が聞こえた。まぁ、主に話してたのマリさんとハルくんで、翔太は参加してなかったな。てか、翔太少しぐらい守ってくれても…。そうしないのも翔太らしいのか…。
しばらくして
「やっと消したか」
と呟くとキーンコーンカーンコーンと予鈴が鳴った。
朝の朝礼が終わり着替え終えて直ぐに体育館へと