そう思いながら1階に降りたその時。
「み、美樹ちゃん」
と翔太。
「…?」
あたしは首を傾げた。
「昨日の夜」
「ふん」
「美樹ちゃん、テレビを観ながら寝ちゃって」
あぁなるほど。そこで、どうしてあたしが2階に行ったかが分かった。
「…」
「美樹ちゃんをベッドに寝かせてるために部屋に入っちゃったんだよ。ごめん」
朝から喋りたくないあたしはスマホを取り出し、メモ帳画面を出してカタカタと打ち始め、打ち終わると翔太に見せた。
「えっと…『全然大丈夫。あたし普通じゃないから部屋に入られたって何とも思わない。寧ろ、感謝してる。ありがと』」
「うん」
「美樹ちゃんらしいね」
「うん」
「でも、俺だって一応男だよ?」
それを聞いたあたしはまた、カタカタと打ち始めた。
「何々?『でも、翔太は嫌なことは絶対にしない』」
「うん」
「そっか」
あたしはここで、ニコと笑った。
「よし、美樹ちゃん。少しでもいいから朝ごはん食べようね。んで、先に学校に行ってて」
「ん」
あたしは、少し食べて、先に家を出た。
翔太が『朝、美樹ちゃん、ボーとしてることが多いから俺がきちんと戸締りするからいい』と提案してくれた。
学校に着いたら机に落書き。まぁ、いつもの事だから気にしてないけど。それにありがたいことに、シャーペンだから、消せば済むし。てか、なんで、こんな労力が必要なことをするのかが分からない。あたしは、専用の消しゴムを出して「はぁ」とため息つき