『バイバイ』という言葉を見てから美樹の姿が見えなくなった。
「有村、美樹からの連絡は?」
「取ってるけど、既読無視」
「悪いな」
「分かってる。大神さんはいい子だよ」
「大神さんのことは有村に任せときゃいいって。それより、お前は、あの子のことを」
「そうだな」
「お前の気持ちはもぅ決まってるんだろ?」
「当たり前じゃん」
「ほら、それを早く言いに行きなって」
「おぅ」
2人に背中を押されて、江口の所へ向かい、江口を屋上の階段の所に連れ出した。
「先輩どうしたんです?」
「江口、ごめん」
「はい?」
「江口とは付き合えない」
「あたしは、先輩のことが大好きなんです。あの大神先輩に負けないくらいに」
「それでもだ。それでも、美樹のことが好きなんだ」
「っ」
「だから、例え美樹にフラれたとしても、江口と付き合うことはない」
「そ…ですか」
「俺のことは諦めてくれ」
「えっと、先輩にお願いがあります」
「1週間限定であたしと付き合ってください」
「お前っ」
「1週間過ぎたらきちんと先輩のことは諦めます」
「本当なんだな」
「はい」
俺は、江口と1週間限定で付き合い始めた。付き合うとは言ったものの今までとは変わらないが。
ゲーセンに行ったり、ご飯食べたり、一緒に登下校したり、お昼を食べたりするだけ。
ただ一つ変わったことは