その日以来学校に行っていない。
お父さんの家でぼーとしたり、本を読んだり、テレビを観たりしていた。家から1歩も外に出ていない。出てしまうと、翔太に会う確率が高くなってしまうから。翔太だけじゃない、鈴村くんや有村さんにも会いづらくなっていた。
因みにお父さんには理由を全部話してあり、納得の上でのことだった。
有村さんからは毎日メッセージが届くが既読無理をしている。だって、殆どが、翔太のことだっから。
翔太に『バイバイ』と言ったのは、江口さん件だった。江口さんかあたしのどちらかを選んで欲しい。中途半端は嫌だったから。
そんなある日のこと。
「美樹ちゃん部屋に入るよ?」
「うん」
その返事を聞いてお父さんはあたしのいる部屋に入って来た。
「美樹ちゃん、翔太くんが呼んでるぞ」
「あたしは、会いたくない」
「前に言ってた…あの…江口さんって子と決着がついたんだって」
「え」
「会ってやってくれないかな」
「うん」
「翔太くん」
「はい。美樹のお父さんありがとうございます」
「はいよ」
そいうと、お父さんと翔太が入れ替わった。
「み、美樹、げ、元気だったか?」
「元気そうに見える?」
「そ、そうだよね」
「結論から言う。江口とはただの後輩と先輩に戻った」
「そ、そうなの?」
「うん」
「俺が好きなのは美樹だけなんだ」
「う、そ」
「ホントだ」
「あたしも、翔太が好き。もちろん恋愛感情で」