「あ!!!つまり…三津谷くんは毎日必ずあの子と話せるし、一緒にお弁当食べるかもってことですか?」
「そういうこと」
「…」
有村さんは呆れてしまったが、その予想がまさか当たるとはこの時は思ってもみなかった。その予想が当たったと判明したのは、この日の夜だった。
「美樹」
「ん?」
「明日からお弁当要らないから」
「え」
「いやー、とある子が俺の分まで作りたいって言ってるんだよね」
「それって、江口美恵って子?」
「お、知ってるんだ」
「まぁね」
「今まで手間取らせてたな。俺はこれで寝るわ〜」
「ちょっ」
『ちょっと待って』と言いかけたのに、その言葉が、翔太に届いてなかった。
......................................................次の日。校門前。
「三津谷先輩、おはようございます。大神先輩も」
「……」
「おはよ」
「大神先輩、体調悪いんですか?」
「美樹は、朝は喋んないんだ」
「えー、それって、三津谷先輩つまんなくないですか?あっ。明日からあたしと登校しませんか?あたしなら、朝から喋りますよ?それから、これ、お弁当です」
「お、悪いな。お弁当ありがと」
「いえいえ。明日から一緒に登校して一緒に下校もどうですか?」
「登下校一緒?」
「ダ、ダメですか?」
「ダメってわけじゃないけど」
「じゃ、決まりです」
「おい」
「でも、先輩の家知らないんですよね…」