「ふっ」
と笑った、有村さんのお父さん。
「え」
「あははははっ」
「え」
「すまないねぇ。君たちを試すようなことをして」
「鈴村くん、ごめんね。お父様の悪ふざけだったの」
「はっ…え」
「有村?どいう?」
その場に居た、有村さんと有村のお父さん以外の人…つまり、あたしと翔太は呆然とするしかなく、鈴村くんだけは辛うじて声が出ている。
「あたしってば、こんな家に住んでるでしょ?だから、いろいろとあるのよ。そんなことより、お父様、娘に、「アレ」とか「おい」は酷いものがあったよ。更に、あたしの行っている高校のことまでバカにして」
「すまなかったよ。夕飯は佳奈ちゃんの好きなの作らせよう」
「デザートは?」
「好きなだけ」
「後少しでお父様のこと嫌いになりそうに」
「ならないでおくれ」
「口も効かないようになる寸前で」
「佳奈ちゃん、酷いことをしたのは謝るから」
「謝るだけ?」
「好きな物好きなだけかってもいいから」
「なら許す」
「有村さん?」
「大神さんびっくりさせたね。あ、お父様、大神さんにスイーツを。食べ放題で。バイキングスタイルで。あ、ついでに三津谷くんも。1番困らせた鈴村くんには夕飯食べてってもらうから」
「佳奈ちゃんのお友達に迷惑をかけたんだ精一杯のおもてなしはさせてもらうよ」
それだけ言うと近くの部屋に入ってしまった。
「みんな、正気に戻った?」
「は、はい」
「…」
「三津谷くん?」