「今日ね、授業、ペースアップしてやった」
「どうして、また」
翔太は、あたしの授業のペースがゆっくりなのは承知。
「テスト範囲が終わらないからだって言われた」
「で?」
「でね、そのペースについていけなくて…翔太に迷惑かけないようにしようと思って頑張ったんだけど、ダメで、勉強教えて」
「……」
「しょ、翔太?迷惑?」
「いいや、迷惑じゃないんだ」
「じゃ、なんで黙ったの?」
「あー、こういうのなんて言うのかな…女子の言葉を借りるなら、胸きゅんってヤツか?なんか、キュンってなった」
「ど、どうして?」
「美樹が素直になったこと、前より頼ってくれてること、何より…」
「何より?」
「美樹の上目遣いがやばい」
「上目遣い?」
「え、無意識なの?」
「たぶん」
「てーへんだ」
「なんで、大変なの?」
「てーへんなのはてーへんなの」
「よく分からないから〜」
その後、夕飯の買い物をして家に帰ってご飯の準備をして2人で食べて、勉強を教えてもらう時間。
「翔太だよね?」
「俺だよ」
「えっと」
「メガネか」
「目、悪かったの?」
「うん。普段はコンタクトなんだけど、コンタクト無くして探してたら、目の前に鏡があって、目をみたら充血してたからメガネにしたんだけど」
「同居してから初めて見るんだけど」
「人前に出る時は、必ずコンタクトだったし、言ってなかったから」
「言ってよ」
「嫌だよ。メガネ、俺似合わないし」
「かなり似合ってる」