「いいの?」
「はい」
「俺も?」
「はい」
「有村も鈴村も悪かったな」
「いいや、それは俺らにも問題があったから」
「でも、助かったよ」
「三津谷くんありがと。大神さんと仲良くなれるチャンス貰ったし」
「おぅ」
「あの、有村さん、ノート、本当にありがとうございました」
「それくらい何の苦にもならなかったよ」
「鈴村、俺のノートもありがと」
「大神さんと仲直りしたならそれでいい」
「サンキュ……な?美樹。コイツら良い奴だろ」
「そうなのかもね」
「大神さん、なんで、三津谷くんにだけタメなの?」
「あ、ついクセで」
「有村、俺だって敬語なんだ」
「それはそうだけど…分かった」
「すみません」
「いいのよ。さて、帰りますか」
有村さんのその声でみんなと帰った。
あたしは人生で初めて仲の良い人が出来た、そう思った。
それからというもの、有村さんと鈴村くんと翔太はちょくちょく保健室に来ることが多くなり、お昼ご飯は保健室に来て4人で食べることが日常になっていた。
そんなある日のこと。
「そう言えば、今度テストですよね」
「そうそう。大神さんは三津谷くんがいればなんとかなりそうだけど」
「はい。翔太に教えてもらいます。翔太は、授業聞いてるだけで勉強出来ちゃうタイプなので」
「美樹のテストは任せろ」
「助かる」
「で、問題は。鈴村だな」
「あ、俺は、一夜漬けでなんとか…」
「なるわけないでしょ」
「あ、有村…」