『おぅ』
それから、手紙が来なくなった。
なんで、美樹ちゃんのこと呼ばれるのが嫌なんだろうな。ホントに。
あれからというもの、授業意外の時は、ぼぅとしてたらしく。
「三津屋」
「…」
「おい」
「…」
「おーい、三津屋」
「…」
「翔太!!!」
俺は『翔太』という言葉に反応した。
「な、何?」
「お昼だよ?」
「あ、だから先生来ないのか」
「おいおい、大丈夫か?」
「多分」
「大丈夫じゃない?」
「大丈夫だ」
「で、美樹ちゃんのことは解決した?」
「そーだ!!!お前のあの質問のせいで頭の中グルグルだった」
「そりゃ、悪かったな」
…コイツ、悪いと思ってねぇだろ。
「鈴村俺となんかいてよかったのか?」
「三津屋、俺知ってたよ。美樹ちゃんに押し付けられた掃除手伝ってたのもバレーの準備のことも。そういうの見てたら『コイツ、ホントは優しいんだ』って思った」
「そうだったんだ」
そう、俺たち…1郡にいたヤツらは学校に来づらくなったのか休学していつの間にか退学をしていたらしい。らしいというのもただの噂で実の所は分からない。俺だって休学したかった。クラスに入れば悪口とか言われたし。でも、コレで逃げてちゃダメなんだと思った。だって、美樹ちゃんはもっと辛い思いをしてたんだから、それを助けなかった俺は自分で罰を強いてた、そんなある時、鈴村が話しかけてくれた。『俺、鈴村。よろしくな、三津屋』って。
「…三津屋」
いつにも増して真面目なトーン。