俺は頭の中でグルグルしていた。
美樹ちゃんのアノ『あたし恋人とか彼氏とか家族とか要らないから』という言葉に何か闇を感じた。というか闇でしかない。確実ではないが確実じゃなくても今の俺は触れちゃいけないものを感じた。楽しいだけの仲ならそこまで気にしないが、同棲…じゃくて、同居してるからなのか気になる。
「はぁ」
 とため息をつくと
「三津屋がため息とか珍しいな…てか遅刻ギリギリ」
 と前の席…鈴村。
「鈴村、俺はどうしたらいいんだろうな」
「あー、大神さんのイジメの件?あ、遅刻はスルーなのね」
「遅刻してもテストで挽回する。それもあるがまた別の問題」
「頭いい発言か。まぁいいやその話しは。イジメじゃないの?」
「イジメのことは謝った。が、俺のしたことは謝っても許されないことだし、かと言って後悔しても過ぎちゃったことは元に戻らないことは知ってる」
「おぅ」
「だったらこれからの態度とかかなと」
「俺さ」
「うん」
「三津屋とちゃんと話したことないけど…ほらいろいろあったから…三津屋って意外としっかりしてるんだな」
「そうか?」
「うん」
「初めて言われた。あ、美樹ちゃんのおかげかな」
「美樹ちゃん?」
「大神さん」
「で、その美樹ちゃんと同棲してるんだっけ?やっぱ恋人なんだ」
「違う。恋人じゃないてか、美樹ちゃんって呼ぶなよ」
「恋人でもなければ同棲でもないってどういうことだよ…てか、三津屋、ヤキモチ?」
「ヤキモチ?鈴村、何言ってんだ」
「そういうお前は、美樹ちゃんと恋人でもなければ同棲でもないって同居?ヤキモチじゃなきゃなんだなんだよ」
「っ…頭の中ぐちゃぐちゃしてきた」